AI技術駆使した見守り「実証介護」始まる【熊本】
2023年06月13日くまもと県民テレビ
人手不足の介護業界で救世主となるのか。AI技術を駆使した見守りシステムの実証介護が13日から熊本県甲佐町で始まった。
甲佐町の介護サービス付き高齢者住宅「松樹苑」。80代以上の約30人が暮らしていて日中は6人から7人、宿直の時間は1人の介護職員で対応している。
職員の人数を考えると宿直を増やすのは難しく、夜間の見回りは特に負担が大きいという。そんな中始まったのがAI技術を導入した実証介護。県内の企業が開発したシステムが見守りをする。
部屋にはカメラや赤外線センサー付きの機器を設置。転倒などの異変があった場合はパソコンや担当職員の端末に通知が入り、入居者の安全確保だけでなく見回り回数の削減など職員の負担軽減も期待される。端末に届く映像は人が骨格で表示され、通知が入る緊急時や職員が操作をしない限り端末に表示されないため、入居者のプライバシーも守られる。
また入居者の1日の生活スタイルも管理できるため、データを活用した生活改善も期待される。
■松樹苑管理者・酒井由紀さん
「職員がいない間の過ごし方やトイレの回数、体調面は把握が難しいのが現状。(システムは)私たちとしても安心の材料になる」
今後は実証介護で得られた意見を基に随時システムを更新し、2024年度の実用化を目指す。