厚真町、高齢者見守りへ新機器導入 遠隔操作でビデオ通話、安否確認容易に 7月から無料貸し出し
2023年05月30日北海道新聞
【厚真】町は認知症などの高齢者の見守り支援として、人工知能(AI)を搭載し、声だけで操作できるディスプレー付きスピーカー「エコーショー」を貸し出す実証事業を始める。現在、高齢者にタブレット端末を貸し出しているが、利用者の一部から操作が難しいという声があった。エコーショーは高齢者が操作しなくても、離れて暮らす家族らの遠隔操作でビデオ通話などができ、安否確認が容易になる。実証事業後、町は2024年度にも本格運用したい考えだ。
町は新型コロナウイルスの感染拡大によって家族に会うのを控えている高齢者が遠隔で交流できるよう、20年度からタブレット端末の貸与事業を開始した。1年単位で無料で貸与し、町住民課によると、これまでに延べ約50人が利用。今月30日現在、25台備えるうち21台を貸し出している。
利用者に聞き取りを行ったところ「タブレットのタッチ操作が難しくて使えない」などの意見が複数あったため、タッチ操作が不要なエコーショーを5台導入した。高齢者の家族がスマートフォンなどからエコーショーにアクセスすると、高齢者が操作しなくてもビデオ通話ができるほか、家の様子を映し出すことができる。
町は関連機材の導入費を含め、本年度一般会計に事業費40万円を計上した。町内に在住する65歳以上の高齢者をモニターとし、7月1日から来年3月31日まで無料で貸し出す。希望者はWi―Fiルーターなども一緒に借りられる。
同課は本格運用に向け、「モニターや家族から使用感を聞き、貸し出し方法や有料か無料かなどを定めていきたい」とする。モニター募集は6月2日まで。町外に住む家族が応募することもできる。