熱中症死者数を30年までに半減 実行計画を閣議決定
2023年05月30日日経新聞
政府は30日、今後おおむね5年間の熱中症対策を盛り込んだ実行計画を閣議決定した。2030年までに死者数を現状から半減させるのが柱だ。地球温暖化のリスクが高まるなか、着実な予防などを促す。
熱中症による死者数は22年までの5年間の平均で1295人に上る。計画は中長期的な目標として30年までにこれを半減する。
具体的には、高齢者や子どもといった熱中症のリスクが高い人たちを念頭に、福祉関係の団体などに見守り協力を要請する。産業界には予防のための商品開発を依頼する。学校のエアコン設置にも取り組む。
西村明宏環境相は30日の閣議後の記者会見で「今年も既に猛暑日を記録するなど、熱中症対策は急務だ。政府一体となって対策を推進していきたい」と述べた。
4月28日に成立した改正気候変動適応法は、従来の熱中症対策行動計画を、閣議決定の対象となる実行計画に格上げすることを明記していた。