高齢者見守り本格実施 NCNと三朝町共同事業 スマホ活用、利用者「安心」

2023年05月22日日本海新聞


 三朝町と日本海ケーブルネットワーク(NCN)が共同で進める「高齢者見守りサービス」が本年度、本格スタートした。町内に住む高齢者世帯の生活の様子を離れて暮らす家族がスマートフォンで見守ることができるインターネットを活用した住民サービスで、利用者からは「安心できる」と好評。同町では工事費用や利用料の一部を補助するなど利用しやすい料金に設定し、町民への利用を呼びかけていく。

 同サービスは光ファイバーによる伝送路を活用した安否確認システム。高齢者宅に設置した人感センサーが部屋の温度や湿度、動きなどを感知し、家族がスマホのアプリで状況を確認できるのが特徴。室内の気温が上昇したり一定時間、動きがなかったりなど異常を感知した場合はスマホに通知するなどの機能もある。鳥取県内の自治体とNCNが連携した初の取り組み。

 本格導入に向けては昨年度、高齢者と家族20世帯を対象に実証事業を行い、使用感や適正料金などについてアンケートを実施。利用者からは「室内環境や運動量がいつでも確認できて安心」など好意的な意見があった一方、負担にならない程度の利用料を求める声も多く、町では初期工事費用(6万5千円)を全額負担、月額利用料(3850円)の一部を2年間補助するなどして対応。実証事業の参加者のうち、7世帯が継続を決めた。

 実証に参加した太田久美子さん(57)=倉吉市桜=は、同町横手に住む父親の吉崎練一さん(85)宅にセンサーを設置。「父親の生活リズムが把握でき、安心材料の一つになっている。自治体が率先して行うサービスとしてありがたい」として利用継続を決めた。

 松浦弘幸町長は「今後も利用者の意見に耳を傾けながら、インターネットを活用した安心安全なまちづくりを進めていきたい」と話した。