高齢者見守り 歌ってPR…所沢市事業
2023年01月22日読売新聞
所沢市は、道に迷った高齢者を見守る市の事業をPRしようと、担当課の職員が作詞作曲したオリジナルソングをユーチューブで公開している。事業を広く知ってもらい、困っている高齢者を見かけたら声をかけるよう、歌を通して市民に協力を呼びかけている。
「迷子になっても助けてくれる 助け合いの心 溢あふ れる 所沢は優しい街さ♪」
市高齢者支援課の松本雄太さん(26)が作った「おかえりが聞こえる街」(約4分30秒)は、ゆったりとしたテンポで事業を紹介している。プロのシンガー・ソングライターを目指していた経験を買われ、今回の歌を作り上げた。
市の見守り事業は昨年1月に始まった。帰宅できなくなった認知症の高齢者らを見つけた市民が声をかけ、高齢者の持ち物に貼られたQRコード付きシールをスマートフォンで読み取ると、現在の位置情報などを家族に知らせることができる。シールには、市のイメージマスコット「トコろん」がデザインされており、「トコろんおかえりQR」という愛称でも親しまれている。
歌詞には、「トコろんおかえりQR シールのお守り」「スマホで読むだけさカンタン メッセージ送る家族のもとへ」など、事業の概要がわかるフレーズが盛り込まれ、「 嬉うれ しい連鎖を 繋つな げよう」と訴えている。
市は、見守り事業を紹介する動画もユーチューブで公開している。松本さんの歌が公開された昨年11月以降、関連動画の再生回数は10倍近く増えたという。
松本さんは「おかえりQRは非常に有効的な事業だと思う。音楽をきっかけに事業を知り、困っている人を見かけたら、知らない人でも手を差し伸べてほしい」と話している。
シールは、 徘徊はいかい の恐れがある高齢者の家族に無償配布されているほか、市内のコンビニでも販売されている。