見守りタグを使った高齢者の外出促進と見守りサービス、G&Sが実証結果を報告

2023年06月13日新・公民連携最前線


 ジョージ・アンド・ショーン(東京都渋谷区、以下G&S)は2023年5月30日、東京都の多摩地域で実施した実証実験「見守りタグとICTを活用したシニア/子どもの街歩き促進サービス」の成果を報告した。同実験は、東京都産業労働局が主催する多摩イノベーションエコシステム促進事業のリーディングプロジェクトとして、高齢者171人、子ども110人の計281人を対象に2022年11月から2023年2月まで実施された。G&Sが開発・販売するビーコン機能搭載の見守りタグ「biblle(ビブル)」を配布して、高齢者の外出促進、高齢者および子どもの見守り効果を検証した(実証開始時の発表資料)。

 高齢者の外出促進では、高齢者が見守りタグを携行して外出した際、東京都多摩市および日野市にあるサービス対応スポットの28店舗(地域商店街や移動販売車)を訪問したり、biblleの専用アプリをスマホにダウンロードしたサポーターとすれ違ったりすると、景品と交換可能なポイントを獲得できる仕組みを提供した。高齢者171人のうちおよそ55%が景品と交換可能な50ポイント以上(最高で613ポイント)を獲得し、80%が実証期間の外出時に見守りタグを3日間以上携行してポイントを獲得した。

 また、高齢者・子どもの見守りでは、見守りタグを携行した高齢者と子どもが小田急多摩線の駅や多摩センター駅の周辺エリアにおける特定箇所を通過すると、介護者・保護者の登録メールアドレスに位置情報と通過時刻を記載したメールが配信される。実証実験の結果、小田急多摩センター駅では期間中の4カ月で約1300件の通過を検知した。同駅近くの商業施設の交差点付近では760件(1300件の58%)、子どもが日常的に通う学習塾では570件(同44%)を検知した。また、サポーターによる位置情報検知数も1000件程度(2月実績)あった。

 実証はG&Sが主幹企業となり、京王電鉄が沿線住人への施策誘致、沿線店舗誘致とポイント獲得端末の設置、小田急電鉄が沿線住人への施策誘致、子ども向けメール配信サービスの提供、日本オラクルが各種アプリやインフラの開発支援で協力した。