タムラ製作所、IoTで高齢者見守り CEATEC2021

2021年10月19日日経新聞


国内最大規模のIT(情報技術)の総合展示会「CEATEC(シーテック)」ではあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の活用法を提案する展示が目立った。物流やインフラの効率化だけでなく、高齢者の見守りにいたるデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する。

電子部品大手のアルプスアルパインはセンサーを使って効率よく荷物を運搬するための工場や物流施設向けのシステムを出展した。フォークリフトや無人搬送車(AGV)の荷台やパレットにWi-Fiなどの通信機能を持ったセンサーを設置する。クラウドに送ったデータをもとに、繁忙期の台車の動きを「見える化」することで、施設の効率運用につなげる。

施設内のどの基地局と通信しているかで台車の位置を確認する仕組みだ。全地球測位システム(GPS)を使って台車の位置を把握することが多いが、物流倉庫など屋内では電波が届きにくいこともある。Wi-Fiを活用することで屋内でも位置を把握しやすくなる。

台車がAGVなどで運ばれているときだけ通信する機能も設け、10年間充電せずに利用することができる。端末や通信にかかるコストを従来の10分の1にできる。

同センサーは欧州などで累計100万台の販売実績があるという。新型コロナウイルスの感染拡大で、電子商取引(EC)の需要が高まっており、物流事業者の需要を開拓する。

インフラ分野では点検やメンテナンスの効率化に向けたセンサーの活用方法が広がる。

システム会社の日本ユニシスは通信やビデオ録画機能を搭載した「スマートグラス」を使って点検作業を効率化するシステムも提案する。管理部門からの指示が眼鏡のレンズの部分に表示される。熟練作業者でなくても一定水準の作業ができるようになる。点検結果を報告書に音声で入力する仕組みも設ける。点検作業にかかる時間は5分の1に短縮できるという。

ビルやマンションの水道ポンプやガス管の故障の予兆を検知するサービスも紹介する。水道やガスのメーターに音や振動のセンサーを設置し、人工知能(AI)で分析する。点検回数を従来の4分の1に減らせるほか、破損する前の修繕などにつなげられる。故障予知から作業員の作業支援までビルやマンションの管理会社のDX需要を一括して取り込む狙いだ。

IoTは産業分野だけでなく、生活支援の分野にも広がっている。タムラ製作所のグループ会社の光波(東京・練馬)はセンサーで高齢者の見守りをできるシステムを出展する。天井に取り付けたマイクロ波のセンサーで感知する仕組みで、カメラで撮影するのに比べてプライバシーに配慮できる。

高齢者が室内に長時間いなかったり、転倒していたりといった状態を検知した場合、遠隔地にいる家族に通知する。1つのセンサーで約18平方メートルまで対応でき、病院や介護施設などでの需要も見込む。