R65のシニア向け賃貸住宅サイト「R65 不動産」は活用に値する!

2021年04月13日財経新聞


高齢者向け賃貸住宅に対しては以前にも記したが、「年金という家賃財源があり安心」とするオーナーと「孤独死がネック」とするオーナーが「拮抗」状態だとされる。

 そんな中、不動産マターを主戦場とする記者から「65歳以上のシニア層を中心に居住用賃貸仲介事業を展開している業者がいる」と聞いた。R65。65歳以上の人が入居可能な物件の情報サイト「R65 不動産」を、不動産会社30社と連携し運営しているという。

 キッカケは代表の山本遼氏が創業前に住宅仲介に携わっていた時の原体験。来店した高齢者から耳にした「紹介する物件がないと言われ続けてきた。お宅で5社目だ」という、うんざりした風の溜息交じりの一言だった。

 山本氏は、「孤独死=事故物件が業界内に蔓延していたのが原因」と捉えたが一方でこうも考えたという。「全宅連(全国宅地建物取引業会連合会)では2019年度の居住支援に関する調査研究報告書で、『孤独死については原則、説明・告知の必要はないものとする』としているではないか」と。

 決起しR65を起こしまずは1都3県のシニア向け賃貸住宅の仲介を開始、「徐々に拒否感が薄れ、協力してくれるオーナーが増えている」ことを確認するのと並行し「R65 不動産」を立ち上げた。

 で具体的にどうか。日本賃貸住宅管理協会の2020年度上半期の「賃貸住宅市場景況調査」で、(来店客数ベースで)こんな結果が出ている。「65歳超が前年同期比30%超増」で全体の26.0%。一般ファミリーの21.3%を上回っている。山本氏は「外国人留学生の需要激減で、オーナーや管理会社の目線が高齢者層に向いている」と分析している。

 更に「需要増」傾向を見通したR65では、『R65 あんしん見守りパック』を始めている。月額980円。電気の使用量をAIで解析し、異常を検知した時には自動電話とメールで登録されている(近親者などに)通知がされる。孤独死防止に特化したサービスで、初期費用・設置工事費用なしで導入が可能。

 人生100年時代だと言う。山本氏は高齢者層の賃貸住宅増の傾向を、こう解析しているという。

  1. 賃貸住宅が人気なのはエリアを問わず供給が豊富なこと。
  2. アクティブ高齢者が増えている中で「制約されない老後を満喫したい」と考える層が、賃貸住宅を第2の人生の住まいに選択する傾向がある。
  3. 人気の物件は、買い物弁がよい立地。「スーパー近く」「バス停近く」が好まれる。
  4. 賃料は、都内なら5~12万円水準。

 「R65 不動産」を活かし、生まれ故郷に老後の拠点を構えるのも一法かもしれない。