高齢者に見守りカメラ 訪問介護現場で実証実験 飯塚のソフト会社

2021年01月22日西日本新聞


 福岡県飯塚市のソフトウエア開発会社「ラムロック」と介護サービスの業界団体「全国介護事業者協議会(民介協)」は、訪問介護サービスの利用者宅に見守りカメラを設置する実証実験を行っている。新型コロナの影響で会いに来られない遠方の家族と事業所が、高齢者の情報を共有することで、介護の質の向上が期待される。

 設置しているのは同社のカメラ「みまもりCUBE」で、一辺が9センチ程度の立方体。玄関の出入りや寝起きを検知し、家族と事業所に画像付きメールを送る。これまでも高齢者宅や介護施設に設置していたが、新型コロナの流行で事業所が通所介護を制限、利用者も利用を自粛するなど訪問介護サービスの必要性が増加していることから、初めて導入した。

 実証実験は昨年8月から順次、民介協の会員で名古屋市の事業所「ライフサービス」の利用者宅で行っている。認知症の症状がある80代女性宅では、徘徊(はいかい)を防止するため、玄関が映るようにみまもりCUBEを取り付けた。ライフサービスの松下洋三社長によると、検知回数が多かったことから、同社は夜に眠れていないのではないかと想定。ケアマネジャーが日中の施設での過ごし方を見直し、よく眠れるように運動量を増やすなどしたという。

 長野県松本市に住む女性の娘(58)は、メールが届いたらできるだけ母親の自宅に電話を入れて「何をしているの」と声を掛けている。女性は「電話で母の気を紛らわすことができる。メールが来たら状況がすぐに分かるので助かっている」と話す。

 今後、ラムロックは別の事業所とも実証実験を行う予定という。同社の萬屋菊洋・取締役経営企画室長は「安心して暮らせる環境作りを後押ししたい」。ライフサービスの松下社長は「家族と事業所が共同で介護に関わっていくのが大きな狙い。少し負担にはなるが、家族の安心にもつながる」と話している。