電球点灯で高齢者見守る実証試験
2021年01月14日NHK福島
1人暮らしの高齢者などの見守り強化しようと、浪江町の社会福祉協議会が、大手通信会社と連携して、住宅の電球の点灯記録を遠隔で確認して、生活に異変がないかチェックできるシステムを導入し、14日から実証試験を始めました。
この取り組みは、遠隔で電気の点灯記録を確認できるLED電球を活用し、NTTのグループ会社2社のシステムを通じて行います。
町に帰還した30世帯程度の参加を見込んでいて、LED電球をトイレなど毎日、利用する場所に設置してもらい、24時間以上点灯しなかった場合などには、社会福祉協議会に異変を知らせる通知が届く仕組みです。
実験初日の14日、社会福祉協議会の職員は、参加者の家にLED電球を設置して回り、事務所に戻って、パソコンなどで点灯記録を見ることができるか確認していました。
原発事故による避難指示が4年前に一部で解除された浪江町では、町で暮らしている人の3分の1が1人暮らしの高齢者で、地域のつながりが薄れる中、「孤独死」で亡くなる事態も懸念されています。
実験に参加した80代の女性は、「1人で浪江に帰還したので、家で倒れたら誰にも気づかれないおそれがあります。社会福祉協議会の職員の方々に電球を通じて見守ってもらえると安心します」と話していました。
浪江町社会福祉協議会の鈴木幸治事務局長は、「帰還した人は高齢者が多く、新型コロナウイルスの影響で人と会う機会が減っているので、この取り組みを通じて、見守り体制を強化していきたい」と話していました。