NTTテレコンが自治体と高齢者見守り支援 実証実験へ

2021年01月12日日経新聞


NTTテレコン(東京・台東)は自治体と連携し、高齢者の見守り支援の実証実験に乗り出す。千葉県富津市と8日に包括連携協定を締結した。ガス使用量から異常を察知し見守り訪問を支援するほか、防災情報を住民に知らせる仕組みを導入する。実験は今年夏から2022年3月末まで実施し、うまくいけば他の自治体での展開も検討する。

省電力で長距離通信ができる無線通信の「LPWA(ローパワー・ワイドエリア)」を活用する。富津市の防災無線柱と住民宅のガス検針器に無線を送受信できる専門機器を設置し、ガスの使用状況を把握する。ガスが使われていないなど異常を検知し、富津市に情報提供する。富津市による高齢者への訪問を効率化できるとみている。実験では約10世帯に機器を導入する。

防災も支援する。市民の自宅に防災情報を受信する端末を置いてもらう。防災情報の発信があった場合、ランプの点滅とブザーの音で知らせる仕組みだ。

防災情報は自治体が所有する防災無線柱のスピーカーで発信する場合が多いものの、屋内にいる住民には聞こえないなど問題があった。NTTテレコンは無線機器の設置で富津市のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援し、行政の効率化につなげたい考えだ。