高齢者の自宅をスマホで見守り 介護事業やさしい手
2020年11月13日日経新聞
介護事業を手掛けるやさしい手(東京・目黒)はスマートフォンを活用した高齢者の見守りサービスを始めた。一人暮らしの高齢者の自宅にドアの開閉や室温を検知するセンサーを設置。家族や介護者がスマホで生活状況を24時間確認できるようにする。新型コロナウイルスの感染拡大で非対面で生活を支援するニーズが高まっていることに対応する。
ソフトバンク子会社のSBパワー(東京・港)と連携し、高齢者見守りサービス「介護CONNECT(コネクト)」の提供を始めた。冷蔵庫やトイレのドアなどに両面テープで貼り付けられるセンサーと、通信機能を内蔵したゲートウエイを組み合わせて使う。
インターネット環境がない家でも設置できる。センサーが検知したドアの開閉や室温などの情報はクラウドを経由し、家族のスマホのほか、やさしい手のコールセンターに通知する。
介護者は高齢者に対して抱える心配事に合わせて、センサーを設定できる。トイレや冷蔵庫のドアの開閉が指定した時間を過ぎても検知できなかったときや、夜間に玄関ドアの開閉を検知したとき、リビングや寝室の温度が高く熱中症の危険がある際などに通知を受け取れる。
やさしい手のオペレーターが介護者の代わりに通知を受け取り、高齢者の状況を確認するオプション(月額500円)も用意した。
料金は導入に伴う初期費用が5000円で、月額の利用料が3000円。同社は今後、「介護コネクト」に血圧や服薬情報などの健康管理機能を搭載したり、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」機器と連携したりすることを目指すという。