電球の点灯状況で高齢者見守り 宮城・大河原町が実証実験

2020年08月31日河北新報

 

 宮城県大河原町は、独居高齢者の見守りシステムの実証実験を始めた。通信機能内蔵のLED(発光ダイオード)電球を活用し、高齢者世帯の室内の点灯状況を把握。その情報を基に、スマートフォンの専用アプリを通して安否などを確認する。11月末まで実験を行い、町の事業として導入するかどうか判断する。

 ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナント(東京)と協力し、同社のシステムを使用する。対象は65歳以上の独り暮らし世帯で、電球はトイレなどに設置する。電球の点灯時間が同社のクラウドに記録され、長時間の点灯など異常があると判断した場合、家族のスマートフォンに専用アプリを通して警告が届く。

 町がシステム導入を検討したのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響がある。首都圏など大都市に住む家族の移動や、地元の民生委員の見守り活動が制限されているため、新たな安否確認の在り方を模索していた。

 電球の設置費用は9月末まで無料。利用料は11月以降、月額638円かかる。電球を設置した1世帯当たり8人まで専用アプリに登録できる。アプリはスマートフォンでなければ利用できない。

 大河原町には3月末現在、1250の独居高齢者世帯がある。町の担当者は「電球は簡単に設置できるので、多くの人に申し込んでほしい」と呼び掛けている。