家電やセンサーで「フレイル」の予兆を検知へ--日立GLSと東大IOGが連携

2020年07月14日ZDNet Japan

 

 日立グローバルライフソリューションズ(日立GLS)は、東京大学高齢社会総合研究機構(東大IOG)との産学連携により、超高齢社会の課題解決に貢献するソリューション開発プロジェクトを進めていく。まずは、要介護に至る手前の状態「フレイル(虚弱)」の予兆を検知する技術開発に着手した。

 フレイルの予兆を検知する技術では、人感センサーや高性能センサーを活用して継続的に行動を認識し、時系列データにより高齢者宅内の行動変化を把握する。そして、そこで得られた行動情報を基にに人工知能(行動認識技術)を利用した解析結果と東大IOGの知見を用いて、日常生活の活発さを表す「生活の活き」として可視化することで、フレイルの兆候を見極める。

 センサーは日立GLSのコネクテッド家電(冷蔵庫、電子レンジなど)に加え、プライバシーに配慮した人感センサーや高性能センサーを利用する。また行動の認識は、日常生活を妨げずに行うとしている。

 東大IOGによると、フレイルとその根底をなす筋肉減弱(サルコペニア)への対策には、(1)高齢者を含めた生活者自身に科学的根拠の最新情報を伝え、最終的に行動変容を促す、(2)個々の住民がフレイル予防活動を安心かつ快活に実践できる街づくりをする、(3)少しでもフレイル化が進行した際に迅速かつ鋭敏に検知し、本人と家族にフィードバックして早期に対応する、という3つのアプローチが重要になるという。

 日立GLSはこの技術を活用し、高齢者の食生活・身体活動を豊かにするサービスや家族による生活見守りサービスなど、パートナー企業とのタイアップによるトータルソリューションの開発・提供を目指している。