高齢者見守りで新型コロナ対応 AIやネット活用、介護の助っ人に

2020年06月22日SankeiBiz

  

 人工知能(AI)やインターネットに接続した機器など最新技術を活用し、高齢者の介護や見守りをサポートする試みが広がっている。自宅にセンサーを設置して生活習慣を見える化したり、AIが電話で定期的に体調を尋ねたりしてくれる。人手不足に加え、新型コロナウイルスの影響で接触が制限される介護現場で、強力な助っ人となるかどうか注目される。

 「お父さん、昨日はトイレが多かったね」。ケアマネジャーが在宅介護を受ける男性に電話で語り掛ける。手元にあるのは男性の生活習慣を数値化したデータだ。

 男性の自宅のトイレや寝室、部屋の扉、冷蔵庫にはセンサーが設置されている。センサーが反応するとネット経由でケアマネジャーにデータが送信される仕組みだ。トイレの回数、睡眠時間、食事の状態などが分かる。利用者に配慮し、機器から音や光は発しない。

 宮崎県都城市は昨年、パナソニックや県介護支援専門員協会と連携し、集めたデータを基にケアプランを作成する「デジタル・ケアマネジメント」という取り組みの効果を検証。対象とした4人全員の生活習慣に改善傾向がみられた。同協会の大峯伸一副会長は「利用者の不安をデータで安心に変えられる」と手応えを感じた。

 IT企業のトリプル・ダブリュー・ジャパン(東京)は、直径3センチのセンサーを利用者の下腹部に貼り、超音波でぼうこうの大きさを測定。一定程度に膨らめばネット経由で介護士に知らせる機器を開発した。

 高齢者の見守りにAIの導入も検討されている。奈良県はNTTドコモと共同で、AIが毎日決まった時間に電話をかけ、健康状態を尋ねる実証実験を始める。AIが「痛いところはないですか」と質問し「膝が痛い」と答えると、「いつからですか」「通院はしていますか」などと自然に対話する。内容は記録され、「しんどい」などの言葉や電話に出ないことがあれば、離れて暮らす家族に連絡することを想定している。奈良県の担当者は「データを蓄積すれば、異変や認知症の早期発見につながる」と期待を込めた。