高齢者をAIカメラで見守る 転倒を検知するとLINEなどに通知

2020年06月14日Ledge.ai

 

AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)技術開発のmtes Neural Networks株式会社は6月11日、AIカメラを使って人の転倒を検知する「ヤモリン転倒検知システム」の開発を発表した。ヤモリン転倒検知システムは画像分析機能を備えたAIカメラが半径10メートル、約120度の範囲で人の転倒を検知し、LINEやSlackに通知される仕組みだ。

AIカメラが転倒事故を素早く検知、従業員の負担軽減へ

少子高齢化社会が進むなか、多くの高齢者が入居する介護や福祉施設では、介護士などの人手不足が深刻化しており、入居する高齢者の転倒事故などへの対応力が低下している。また、医療や介護施設においては新型コロナウイルスの影響で、人との接触を制限しながら日常業務を遂行しなければならない状態となっている。

このような慢性化した人手不足や、コロナ禍による対人接触の制限などで不安視される現場の負担を軽減するため、mtes Neural Networksは2020年6月からヤモリン転倒検知システムの販売を開始した。

ヤモリン転倒検知システムは、AIカメラを設置するだけで検知システムを導入可能だ。
転倒検知システムでは、AIカメラが差分分析と重心ベクトルで人の動きをスクリーニングし、エッジコンピュータが組み込まれたポーズドクターが骨格の動きで転倒などの姿勢を判断する。撮影された動画は20秒ごとに録画され、ポーズドクターでスクリーニングした映像だけを端末に送信、LINEやSlackなどに通知される。

mtes Neural Networksでは2020年6月5日から、株式会社関東サンガの有料老人ホーム「あきる野翔裕館」にAIカメラ4台を導入し、実証実験を始めている。

mtes Neural Networksのヤモリン転倒検知システムを活用することで、医療や介護施設などで起きる高齢者の転落事故を直ちに検知することを可能にし、現場崩壊の防止に貢献していく。

施設内外見守りサービスが高齢者の位置情報をリアルタイムで把握

ジョージ・アンド・ショーン株式会社は2020年6月1日から、高齢者施設内見守りサービス「施設360°(シセツ・サンロクマル)」の無償提供を実施している。

施設360°は、Webアプリケーションを介して、利用者の施設内外の位置情報をリアルタイムで把握できるサービスだ。各場所に設置されている受信機が高齢者施設の入居者および施設スタッフが常時携帯する見守り端末から、位置情報を収集する。

施設360°の特徴として、Webアプリケーションから施設内の入居者およびスタッフの位置情報を確認する「施設内の位置情報の参照」、特定の入居者が外出する際に、施設の担当スタッフに通知される「外出検知機能」、外出が通知された入居者の屋外での位置情報を確認できる「施設外の位置情報の参照」、日常の生活習慣から移動量を把握する「生活習慣データの把握」があげられる。

現在、新型コロナウイルスの影響で従事者を減らしている施設もある。
施設360°を使えば、少人数体制でも夜間の見回りや徘徊捜索などでアラート機能を利用し早期に異常を発見でき、効率的にリスクの回避が可能になる。