健康見守りシステム完成 高性能スマートウエア活用 本宮の縫製業「東和」
2020年06月05日福島民報
本宮市の縫製業「東和」が開発を進めてきた、高性能なスマートウエアを活用した健康見守りシステムがほぼ完成し今秋、実証実験に入る。高齢者や建設作業員の体調管理に役立つ。
東和は自社システムを「KULF(クルフ)」と名付けた。スマートウエアはセンサーを取り付けたゴム製ベルト型で、素肌に装着する。心拍数、呼吸数、体表温度、深部体温、体の姿勢などのデータを位置情報付き通信モジュール経由で十五分ごとに送信できる。ベルトで固定するためセンサーの位置がずれにくく、送信エラーの発生が防げるという。
一人暮らしのお年寄り、高温の中で働く建設作業員らの体調を一括管理し、急な体調悪化や熱中症の予防につなげる。すでに、高炉を稼働させるメーカーからの引き合いもある。ベルトは着けず、通信モジュールを持つだけで人の居場所を確かめることができ、子どもの安全確認やお年寄りの徘徊(はいかい)防止に役立つ。
今秋に始める予定の実証実験には自社の社員のほか、介護事業者や建設会社などの関係者にも参加を呼び掛ける。利用料の低減を図り、来年夏ごろのサービス開始を目指す。
東和の佐藤恵一社長(55)は「地球温暖化が進み、健康管理がますます大切になる。医療の質の向上にも新システムで貢献したい」と話している。