LPガス料金スマホで確認、東洋計器 配送も効率化

2020年03月12日日経新聞

  

ガス・水道メーター製造の東洋計器(長野県松本市)は、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用したLPガス管理サービスを拡充する。メーター情報を集める独自端末を活用。利用者がスマートフォンで料金を確認できるアプリや、最適なボンベの配送ルートを自動作成するソフトなどをガス事業者に提供する。2022年3月までに独自端末を現在の4倍の100万台普及させる。

同社はKDDIと共同で、省電力で広域通信が可能な無線技術「LPWA(ローパワー・ワイドエリア)」を活用した端末「IoT-R」を開発した。LPガスメーターに接続するとガスの使用状況などのデータがクラウド上にある東洋計器のセンターに送られ、ガス会社が必要なデータを取り出すことができるようになる。

検針の手間が省けるうえ、10年間は電池で稼働するなど利便性は高い。電波の届きにくい山間部や検針に手間がかかる離島などでも利用しやすく、18年10月の提供開始から累計で25万台超を出荷した。

さらにIoT機能を生かすため、ソフト面のサービスを拡充する。まず、今春から「ガスるっく」「配送Naviアプリ」という2種類のソフトを本格展開する。

スるっくはガスの利用者がスマホやタブレットを使って料金などを確認できるサービス。料金明細に加えて毎日の使用量をグラフで確認できる機能や点検の予約機能などもある。

ガス会社にとっては請求書の郵送などの負担が減るうえ、保安点検などの日程も調整しやすくなる。人工知能(AI)を活用したチャットボット機能も搭載しており、料金やガス器具の故障などに関する問い合わせにも対応できる。

一方、配送NaviアプリはLPガスのボンベ配送を効率化できるシステム。IoT-Rは季節などで異なるガス使用量を的確に把握できるため、交換が必要かどうかの判断が容易になる。

そのうえで、効率的な配送ルートを自動で作成し、地図上に示すことができる。配送先の駐車場所や注意点なども登録が可能。現在は担当者の経験に頼りがちだが、担当者が休んだ場合でも対応しやすいほか、ベテラン社員から若手社員への引き継ぎなどもスムーズになるという。

東洋計器の土田泰秀社長は「オール電化住宅の広がりや都市ガスとの競合などを背景に、LPガス業界のサービス競争は激しい」と指摘。高齢者の見守りやプリペイドカードなどを活用したガス料金の支払いなどサービスをさらに充実させることでIoT-Rを普及させたい考えだ。