大賞に「高齢者見守り事業」 スタ★アトピッチ決勝大会

2020年02月29日日経新聞

 

日本経済新聞社は28日、スタートアップや後継ぎベンチャーを企業や投資家とつなぐイベント「スタ★アトピッチJapan」の決勝大会を東京・大手町で開いた。予選で高評価を得た21社の経営者らがプレゼンテーションで事業モデルを競った。ビーコン端末を使って高齢者の見守りサービスを提供するジョージ・アンド・ショーン(東京・渋谷)がグランプリを受賞した。

全国を9つの地域に分けたブロック大会にはスタートアップ企業と、家業などを継いだ経営者が新規事業に挑む「アトツギベンチャー」の計95社が参加した。決勝大会には21社が登壇し、サービスや商品の独自性、社会課題解決への貢献などを審査員に訴えた。

グランプリのジョージ・アンド・ショーンはスマートフォンなどで位置情報がわかるタグを販売しており、高齢者が携帯すれば家族が居場所を確認できる。NTT西日本などと共同で、高齢者の移動データから認知症などを人工知能(AI)で検知するサービスの開発にも取り組んでいる。

井上憲社長は表彰式で「日本が認知症を受け入れる社会に変わるように、課題解決に取り組む」と決意を述べた。審査員の栗本博行・名古屋商科大学大学院教授は「技術と高齢化などの課題を組み合わせる日本ならではのビジネスが多かった」と評価した。