東電PGら、家電の電力モニタリングとAIで高齢者をサポート 実証試験開始

2018年12月19日財経新聞


 関東、山梨、静岡地域で送配電事業を行う東京電力パワーグリッドと、エナジーゲートウェイ、ウェルモは共同で、高齢者住宅での各家電製品の電力使用状況をリアルタイムにモニタリングして宅内の生活状況を推定するとともに、当該家庭のケアデータを用いて、高齢者の見守りサービスやケアプラン作成を補助する事業の実証試験を18日にスタートした。

 家電製品別の電力使用状況は、分電盤周辺に専用の電力センサーを設置して計測する。この計測結果と、計測住宅内の環境情報計測値とを合わせて、居住者の生活リズム等を推定する。これらの作業は、東京電力パワーグリッドと、エナジーゲートウェイが担当。同2社では、この技術を「IoTサービスプラットフォーム」として、医療、介護やエネルギーマネジメントなどへの活用展開を図っている。

 一方、ウェルモでは、高齢者介護に関わる人たちのケア情報等の自然言語をAI処理して蓄積し、過去のケアプランデータ、専門知識から最適のケアプランを関係者に助言する「ケアプランアシスタント」を開発している。

 そこで、今回の実証試験では、要介護者、要支援者など支援が必要な高齢者宅にIoTサービスプラットフォームを設置して生活リズム情報を収集し、ケアプランアシスタント情報と融合してAI処理、各モニタリング家庭に最適のケアプランの作成補助を行う。このサービスでは、モニタリング家庭の高齢者が普段と異なる行動をした場合、その行動を検知して関係者に通知する、高齢者見守りサービスも可能で、その有効性検証も今回の試験で行われる。

 実証試験は2019年度上期までの予定で実施される。3社では、2020年度から、在宅ケアや介護予防サービス領域での事業展開を目指すという。