石川)金沢市が高齢者見守りアプリ導入へ まち全体協力

2018年12月15日朝日新聞


 金沢市は来年1月をめどに、スマートフォン向けの認知症高齢者の見守りアプリを導入する。市民に広くダウンロードを呼びかけ、高齢者を「まち全体でさりげなく見守る」地域づくりを目指す。

 市長寿福祉課によると、捜索を必要とする「ひとり歩き」の程度や回数が著しい認知症高齢者は市内に約200人いる。新システムは、ICチップ入りのタブを身につけた高齢者とアプリを入れた人がすれ違うと場所や時間の情報が自動的にサーバーに蓄積され、家族が行動の記録を確認できる仕組み。1月に無料アプリをリリースし、2月ごろからの稼働を目指す。同課によると、ICチップを利用した同様のシステム導入は県内初という。

 アプリでは、行方がわからなくなった高齢者の捜索情報も発信する。家族だけが行動を常時把握するGPSと違い、市民ひとり一人に気軽に見守りや声かけに参加してもらう狙いだ。同課の山下慎一課長は「ご家族を孤立させず、市民全体で見守っているという意識を醸成できれば。ひとり歩きがどんどんできるまちにしていきたい」と話す。