ロボの見守り 9割評価 NEC、西条での実験で

2018年11月29日日経新聞


NECは愛媛県西条市が同社子会社のロボットを用いて実施した「高齢者見守り支援サービス」の実証結果を公表した。サービスを利用した高齢者の9割が家族とのコミュニケーションが改善したとしてロボットによる見守りサービスを評価した。少子高齢化が急速に進むなかで、ロボットをうまく活用することで、高齢者支援を充実することができそうだ。

実証は高齢者宅に設置したコミュニケーション・ロボット「パペロアイ」にディスプレーを接続し、スマートフォンやパソコンを通じて家族と写真やメッセージを交わした。7~9月の3カ月間、西条市に住む高齢者世帯、同市外に住む家族合計10組を対象にして実験に取り組み、その成果をまとめた。

具体的には、ロボットが撮影した高齢者の写真を1日3回家族に送る「見守り」に加えて、写真や音声メッセージを交わす「コミュニケーション」サービスなどを実施した。
サービスを利用した高齢者の90%が家族とのコミュニケーションが「良くなった」と回答した。ロボットによる見守りサービスについては家族側の92%が「役に立った」と評価し、有用性が明らかになった。

NECは2019年4月から西条市でサービスを実用化する予定だ。少子高齢化で高齢者世帯が増加するなか、他の自治体にも展開していく。