武漢市で初の高齢者産業博覧会が開催

2018年11月01日JETRO


10月15~17日に湖北省武漢市で「2018年湖北武漢(国際)養老産業博覧会」が開催された。同市で高齢者産業をテーマにした博覧会が開催されたのは初めて。養老機構、養老サービス、補助器具、高齢者用品、健康管理、高齢者教育・トレーニングなど12のテーマに分かれて展示が行われ、約1,000の企業や組織が出展し、3日間で延べ8万人の来場があった。また、同市の高齢者産業に係る36プロジェクトの調印式、インターネットを活用した高齢者ホームケアの推進に関するサミットなども開催された。

高齢者ケアにネットを活用

武漢市には80を超える大学があり、学生数が120万人を超える「学生の街」として知られる。その一方で、市民政局の発表によると、同市の2017年末時点の戸籍人口853万6,500人のうち、60歳以上の高齢者が占める割合は20.9%(約180万人)で、毎年8万人のペースで増加している。こうした現状を受けて、市政府は高齢者支援について供給面でのレベルアップを推し進め、高まる高齢者ケアの需要に対応しており、1月16日には「武漢市“インターネット+ホームケア”の新モデル推進実施方案」を発表し、高齢者が自宅でケアサービスを受けられるプラットフォームの整備などを進めている。

例えば、武漢市江岸区にある後湖街東方社区(地域コミュニティーや自治会のこと)では、高齢者住宅20戸にスマートカメラが設置されている。このカメラは同社区の高齢者サービスセンターにつながっており、常駐するスタッフが介護を必要とする高齢者の生活を見守り、緊急時には駆け付けることもできる。また、映像は家族にも配信され、家にいる親の様子を携帯で確認することもできる。

現在、武漢市の11区で、こうしたネットとホームケアを複合した高齢者支援プラットフォームが整備され、そのうち6区で運営が始まっている。2018年中には残りの5区でも運営が始まる予定で、1,700世帯で「インターネット+ホームケア」のサービスを受けることが可能となる。