「ビーコン」で見守り…子どもや高齢者捜索に活用

2018年10月24日読売新聞


 磐田市は23日、小型の信号発信機「ビーコン」を使った子どもと高齢者の見守り実証実験を11、12月に行うと発表した。家族のスマートフォンでビーコンを持った子どもらの位置情報が確認でき、行方不明になった際の捜索に活用できる。

 実験は計4日間実施し、大藤、東部の両市立小学校の児童ら希望した計150人にビーコンを携帯してもらう。ビーコンは長さ約7センチ、幅約3・5センチの楕円だえん形で、重さ約30グラムと持ち運びしやすいサイズだ。

 また、市民300~400人に協力を依頼し、専用アプリをスマホにインストールしてもらう。市民がアプリを起動するとスマホ自体がセンサー(受信機)となり、ビーコンを持った子どもらが300メートル以内に近づいた場合に、サーバーを通して家族のスマホに位置情報が伝わる仕組みだ。受信機は市の交流センター23か所などにも設置する。

 実際に子どもが行方不明になるなどした際、市は一斉メールでアプリの起動を呼びかけることを想定している。ビーコンを使った見守り活動の例は全国にあるが、一斉メールで市民に捜索協力を呼びかける手法は初めてだという。

 市のメール配信サービスを利用する市民は約2万3600人おり、実用化されれば、子どもや高齢者の早期発見につながると期待される。実験には、システムを開発した「NTTコミュニケーションズ」(東京都)などが協力する。

 市内では月に1、2回程度、高齢者の行方が一時分からなくなることがあるという。渡部修市長は23日の記者会見で「市民全体で子どもや高齢者を見守る意識を広めていきたい」と話した。