独居高齢者の孤独死を防ぐ、IoTを利用した見守りサービス

2018年09月28日bp-Aニュース


西日本電信電話(NTT西日本)とプリンシプルは、九州を拠点とする不動産管理会社7社と協業し、高齢者の居室を見守る「スマートルームみまもり」のトライアルを開始した。

IoT(モノのインターネット)を活用した見守りで、独居高齢者の賃貸入居問題を解決する。

内閣府「平成29年版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らし高齢者は増加傾向であり2015年時点で約600万人に達し、そのうち、33.8%が公営または民間賃貸に入居しているという。

一人暮らしの高齢者が今後も増加が想定される一方で、一人で暮らす高齢者の居室内での体調の急変について発見が遅れることによる「孤独死」などの課題によって、高齢者の賃貸物件への入居を、物件オーナーが承諾しないケースもあると言われている。

一方で高齢者に住まいを提供することは、物件オーナーにとっても空室リスクを減らす対策にもなる。そこで、IoTによる高齢者見守りサービス「スマートルームみまもり」をプリンシプルとNTT西日本が共同で開発し、各管理会社の協力のもと高齢者宅に一定期間無償で導入を進め、その効果やビジネススキーム、運用性等を検証するトライアルを実施する。

トライアルでは、入居を希望する一人暮らしの高齢者または、現在すでに一人暮らしをしている高齢者など、各管理会社が選定する高齢者(以下、入居者)に対し、見守りサービスの導入を図る。入居者は一定期間無料でサービスを利用できる。

プリンシプル、NTT西日本、各管理会社は、入居者宅へのサービス導入を通じて、各管理会社としてのビジネススキームの確立と運用フローの検証、またサービス仕様の検証などを実施する。


このサービスは、ドア開閉センサーを居宅内2カ所に設置し、一定時間以上ドアの開閉が検知されない場合に、アラームを出す仕組み。アラームが出た後、高齢者本人と連絡がつかない場合は、家族や管理会社へ通知される。来訪や電話による見守りサービスと異なり、入居者が普段の生活を変えずに見守りを受けられる点が特徴だとNTT西日本は説明する。

今後は、トライアルの検証結果を反映・改善し、プリンシプルによる商用サービス提供を予定している。

参画する管理会社は、駅前不動産、川商ハウス、中部興産、福徳不動産、マイホーム情報不動産、三好不動産、明和不動産の7社。