都 水道のスマートメーター実証実験へ
2018年09月18日朝日新聞
水問題を考える国際会議「第11回国際水協会世界水会議・展示会」が16日から、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれている。17日には小池百合子知事が講演し、水量や水圧を通信で把握する「スマートメーター」を10万個使う実証実験を2025年から始めると表明した。
会議は国際水協会が2年ごとに世界各地で催す。国内開催は初めてで、上下水道の高い技術を知ってもらおうと都が誘致した。100カ国以上から約6千人が集まり、都市の水システムや水道経営など六つのテーマを話し合う。
都はスマートメーターを導入し、漏水の早期発見や災害時の迅速な対応、管の効率的な維持管理につなげたい考えだ。来年から企業と共同研究を進め、モデル事業として、20年東京五輪・パラリンピックの選手村(中央区)で自動検針を始め、大会後に民間住宅に転用する際、高齢者の異変などの見守りサービスも稼働する予定という。
都内では、配水管を網目状に整備することで災害に強い構造にし、漏水率はわずか3%にとどまる。ミャンマーやベトナムなど6カ国に漏水防止の技術支援も行っている。一方で、国連児童基金(ユニセフ)によると、世界の3人に1人にあたる23億人がトイレを使うことができず、21億人が安全に管理された飲み水を使用できないのが現状だ。