セコムの自宅防犯設定アプリ 別居の親も、健康も見守り 

2018年09月05日日経MJ

 
 セコムが独自のスマートフォン(スマホ)アプリで、ホームセキュリティサービスの新規顧客開拓につなげている。離れて暮らす親が自宅でどのように操作しているかを遠隔で把握できる点などが、消費者に評価されている。今後は室内に設置している防犯カメラ画像を閲覧できるようにするなど、セコムならではのサービス拡充を検討していく。

 「家に1人でいる子どものホームセキュリティ操作が外出先から確認できるので便利」(40代女性)。「離れた家族が操作していることをアプリで確認できるので安心」(70代男性)

 セコムが2017年2月に提供を始めた自宅の防犯警備の設定ができるアプリ「セコム・ホームセキュリティアプリ」。同社には利用者からの、アプリを高評価する声が寄せられている。

 アプリの利用者層も広げている。離れて暮らす親など2件目用アプリも17年11月に提供を始め、17年12月からは宅配ボックスの契約者向けに、荷物の到着をアプリに通知するようにしている。

 アプリはホームセキュリティーにとどまらず、利用者の健康も見守る。アプリ操作でお客様サービスセンターや健康に関する相談サービス「ほっと健康ライン」に電話発信にも対応。ほっと健康ラインでは、看護師が契約者や家族の病気やけがなどについての問い合わせを受け付けている。

 こうした家屋や居住者まるごと守るという徹底ぶりが、消費者の支持を集めている。アプリを始めた17年2月以降、新規契約者の5割弱が申し込みと同時にアプリ利用を始めている。契約世帯では平均すると、1件目用と2件目用を合わせ、計4個のアプリをダウンロードしているという。

 アプリによる遠隔操作は、別居する高齢者の安否確認ツールとみる利用者は多い。新規契約者に対するアンケートでは導入前後の1年間を比べると、高齢者の見守りを契約理由に挙げた回答は11%増加した。

 離れて暮らす親の家など2件目の警備状況を確認できるアプリ開始後、その傾向が強まっている。17年11月~18年4月までの半年間では前年同期と比べ、高齢者の見守りを契約理由に挙げた回答は42%増えている。

 アプリ利用者の就寝時や留守番時に防犯設定する割合は高まっている。75%が在宅中にドアや窓からの侵入をセンサーで監視する「在宅セコム」を利用。アプリ配信以前は、設定する割合が5割程度にとどまっていた。

 セコムは「就寝時に寝室から設定するケースが増えている」とみる。壁に設置するタイプのコントローラーの場合、就寝時に近くに無いことも多い。起きて設定することを面倒と感じる利用者が少なくなかったからだ。

 今後は機能拡充も検討する。アプリ上で室内の防犯カメラ画像を閲覧できるようにすることや、スマホアプリを通じて家族と話せるようにすることを考えているという。