関電、子供の見守りサービス参入 高齢者安否確認も年内導入へ
2018年08月29日産経新聞
関西電力が、スマートフォンに子供の最新の位置情報や移動履歴を通知する見守りサービスの提供を新たに始めることが28日、分かった。IT企業のビーサイズ(横浜市)と提携し、関西エリアの顧客を中心にサービスを売り込む。同様の事業には中部電力や中国電力がすでに参入。電力・ガスの小売り全面自由化以降の厳しい競争環境の中、暮らしに役立つサービスを充実させる動きが電力業界で広がっている。
新たなサービスは、全国で利用可能で有料。小型の専用端末を子供に持たせることで、位置情報や移動履歴をスマホのアプリを通じてリアルタイムで確認できる。
登校時間や下校時間などを知らせる機能があり、人工知能(AI)が自宅や学校、塾など子供が頻繁に訪れる場所を学習する。近くサービスの受け付けを始める。
関電は見守りの対象者として、毎日の行動パターンが決まっている小学生などを想定しているが、高齢者の見守りにも活用できる。
衛星利用測位システム(GPS)や携帯電話の基地局の電波を利用するため、対象者が屋内や地下にいても位置の特定は可能という。
関電は昨年1月、家庭で普及が進むスマートメーター(次世代電力計)を活用し、主に高齢者宅で電気使用量が極端に減った際などに家族に異変を知らせるサービスをスタート。需要があったことから、屋外でも利用できる見守りサービスを検討していた。
関電はスマートメーターを使った異変の通知サービスについても、家族からの要望があった場合に高齢者宅などに駆けつけ、安否を直接確認するサービスを年内にも導入する方針。
共働き世帯の増加に伴って、見守りサービスの市場は今後も拡大するとみられ、警備業界だけでなく、電力会社やガス会社、鉄道会社からの参入が相次いでいる。