車輪で動く子供ロボ 阪大が開発 高齢者見守りなど想定

2018年08月20日日経新聞


 大阪大学の石黒浩教授らは車輪で移動する子ども型ロボット「イブキ」を開発した。駆動装置の小型化やボディーを軽量化することで、ロボット内部にシステムをおさめた。店舗などでの案内や説明、子どもや高齢者の見守りなどに利用できる。

 ロボットは身長120センチ、重さはバッテリー込みで約37キロ。10歳児を想定して作った。本体は炭素繊維やプラスチックを使い軽量化。顔と手にはシリコーンゴムを利用し人間らしさを加えた。

 駆動装置はバッテリー式の電気モーター。空気圧式に比べると力は弱いが、コンプレッサーが不要でロボット内部におさまる。1度の充電で10時間動ける。段差も2センチ程度まで乗り越えられる。

 表情を自在に変えられるほか、上半身を使って身ぶりや手ぶりもできる。軽いものであれば持ち上げられる。人が歩く時のような上半身の揺れも再現し躍動感を表現した。
 石黒教授は「ロボットが人と共に行動して体験を共有することで、より対話もリアルになり、親密な関係を築けるようになる」と話す。今後、同グループが開発を進める会話システムを組み込む。