フランスベッドHD、介護向けベッド拡販 見守り・自動寝返り支援

2018年06月13日日刊工業新聞


 フランスベッドホールディングス(HD)は、売り上げ拡大の基軸に介護高齢者向け戦略商品を据える。ヘルパーなどの介護人材は慢性的に不足する。在宅介護が増えて老老介護や家族の負担も増す。課題解決へ見守りや自動寝返りを支援するベッドを拡販する。加重センサーや無線通信機能をベッドに盛り込み介護福祉ロボットとも呼べる商品だ。追加購入や買い換えの時期を狙って営業を積極化し、口コミも活用する。

寝返り支援ベッドは3年後に、レンタル件数で6000件を目指す。営業所も85カ所から、3年後に95カ所へ増やす。見守りベッド「見守りケアシステムM―2」は、寝る部分の四隅に加重センサーを載せた。高齢者が起き上がったりベッドから離れたりすると、センサーが感知して介護要員に知らせる。寝返り支援ベッドは任意の時間ごとにベッドの傾きを変え、高齢者の床ずれを防ぐ。

認知症が進んだ高齢者は夜中に徘徊(はいかい)するケースが多く、夜勤の施設職員は重労働だ。1人が多数の高齢者を管理するため、ある高齢者の世話をしている間に別の高齢者がベッドから落ちたり、部屋の外へ出てしまったりもする。在宅介護の場合も床ずれを防ぐため、深夜に家族が起きて身体の向きを変えなければならず、肉体的負担がある。高齢者も睡眠を妨げられ、睡眠不足になりがちだ。センサーや通信機能がついたロボット型ベッドで、これらの悩みを改善する。