NECが「PaPeRo i」で高齢者見守り、愛媛県西条市で実証

2018年04月23日日経デジタルヘルス

 
 NECは、愛媛県西条市がスマートシティ構築トライアル事業の一環として行う「高齢者見守り支援サービス」において、コミュニケーション・ロボット「PaPeRo i」などのICTソリューションの提供とサービス支援に取り組む。NECはこの実証を通じ、見守りサービス向けソリューションの実用化や、生活支援サービスのさらなる充実を目指す。

 西条市は2018年5月から同サービスの参加希望者を募集し、同年7~9月の3カ月間で実証実験を実施する。その結果を分析し、2019年4月からサービス提供を開始する予定である。

 今回のサービスは、一人住まいの高齢者の安心・安全な暮らしをサポートするとともに、高齢者と離れて暮らす家族とのコミュニケーションを豊かにすることが目的。顔検知機能やLEDランプによる感情表現などのロボティクス技術、音声認識AI技術、さらにクラウドサービスを融合させることで、高齢者と家族だけでなく、自治体や関連団体の職員(ケアマネジャーなど)も見守りに連携できる。

 サービス全体は、高齢者宅に設置する「PaPeRo i」、ロボットに接続するディスプレー、音声認識AIとの連携やSNS機能を持つクラウドサービス、家族が使うスマートフォン(またはパソコン)で構成する。ロボットが高齢者を1日3回撮影し、温度や湿度とともに写真をSNSに送信することで家族やケアマネージャーと共有できる「見守り」、家族が撮影した写真やビデオ、テキストのメッセージを見守り対象の高齢者に送信できる「コミュニケーション」、高齢者がロボットに話しかけると天気予報やニュースの情報を音声に変換して教えてくれる「音声リクエスト」の3種類の機能を備える。

 「PaPeRo i」は、NECプラットフォームズが2016年7月に出荷開始したロボット型オープンプラットフォーム。撮影用カメラ、顔認識用カメラ、温度・湿度・光度などのセンサーを装備し、音声認識機能やテキスト読み上げ機能を搭載するほか、クラウド型AIとの連携にも対応する。クラウドサービスは、PaPeRo i開発パートナーのコンロッド社によるクラウドサービスに、独自仕様(家族以外も一緒に見守りが出来る機能)を加えて使用する。