シンガポールのコネクテッドライフ、高齢者見守りサービス

2018年04月20日日経新聞

 
 シンガポールのスタートアップ企業、コネクテッドライフは富士通と組み、高齢者見守りサービスを開発した。生活音を収集するセンサーを中心としたシステムを高齢者施設や個人宅に提供する。5月にオーストラリアに進出し、欧州での展開も目指す。高齢化が進むシンガポールで実証を重ねて実用化のめどがたち、販売を本格化する。

 コネクテッド社はIT(情報技術)を生かした高齢者向け事業を手掛けるスタートアップ。富士通製の集音センサーを活用し、共同で見守りサービスを開発した。就寝時のせきやいびきなど生活音を集めてクラウドに送り、状態を把握する。

 高齢者が転倒すると異常音を検知し、遠くに住む家族や介護施設の管理者のスマートフォン(スマホ)に通知する。集めたデータをグラフにして健康状態を確認することもできる。監視カメラに比べプライバシーに配慮できる仕組みとして売り込む。

 シンガポール政府は渋滞緩和や防犯システムなどITを活用したスマート都市の推進を掲げ、「スタートアップに対して税優遇や融資支援を積極的にしている」(シンガポール科学技術研究庁のラジ・タンプラン氏)。コネクテッド社はシンガポールで見守りサービスの検知の精度を高め、先進国での販売を目指す。