災害に備え、スマホに入れたい「安否確認」「位置情報」アプリ

2018年04月11日DIAMOND online

 
各地で桜も開花して、新学期、新年度シーズンの到来ですね。今回は新しくスマホや携帯を家族に購入したり、新たな場所に異動したりした方におすすめの、普段から役立つ「安否確認」や「位置情報」アプリを紹介します。(アウトドア流防災ガイド・あんどうりす)

 防災講座を実施していても家族の安否は最も関心の高い事項です。家族が守れない人に組織は守れないですからね!まずは『Life360』から紹介します。

Life360

 ハリケーン カトリーナでの安否確認の必要性から広がったアプリということや、東日本大震災時も家族の位置情報確認に役立っていたという経緯から、防災関係の方はすでに家族とご利用の方も多いかも。最大の特徴は、家族全員の居場所が地図上で視覚的にすぐ確認できるところです。

 電車や車に乗って移動している時などは、早いスピードで家族のアイコンが移動するので、見ていて面白いです。ハリーポッターの「忍びの地図」が、魔法を使わずとも手に入れられるのか!って感じです。

 さらに、子どもの見守りとしてありがたいのは、任意の地点を登録しておくと、到着や出発の際に、グループ登録している家族全員にポップアップで通知されるのです。

 学校や塾、職場、買い物先などの到着出発を教えてくれるだけでなく、電車からバスの乗り換え地点や自宅からあと数キロという場所も登録することができます。グループで2箇所までの地点登録だと無料で、それ以上は有料になります(360円/月)。

 グループの人数には制限がないので、家族が多い場合には、1人だけを見守るキッズ携帯と違い、全員の行動が一瞬で把握できる利点があります。遠く離れた親も同じグループとして同時に把握したり、別グループにして見守りが可能です。

 私もこのアプリのおかげで、子どもが遅く帰宅する際、まだ学校にいて、何か用事があるのだなとわかるので、気をもむ事が減りました。災害時も学校で被災したのかそれ以外で、心配することが異なりますよね。ポップアップ通知で災害前の居場所がわかるので、災害時機能しなくても家族の状況をイメージできるのがありがたいです(※ただし、タイムラグが生じる可能性もあり、あくまで目安)。

 また、避難所や避難場所などを設定しておくと、津波の際、高台の避難場所に逃げられたかどうかなど、家族のスマホの電源さえ入っていれば、いま、どの場所にいるのかわかります。

 私立の小中学校の講演で、保護者の方の質問が最も多いのが通学途中で災害にあった場合どうするのかという事です。通学距離が長い事が多いですから。いつもまめに連絡してくれるわけではないお子さんが、いま、どこにいるかがわかる事は、災害時はもちろん普段でも安心材料になります。

安全運転をレビューするアプリや、災害時だけ居場所が分かるサービスも

 有料版では他にも、安全運転レビューという機能があります(450円/月)。運転終了後にルート、最高速度やさらに急加速・急ブレーキ・携帯電話の使用の事例を地図上に表示してくれます。親世代の運転が心配になり、そろそろ免許返納かなと思ったら、利用してデータを用いて話し合いができるということですね。 

 またこのアプリは位置情報を常時発信しているのに、バッテリーの消費が少ないのがありがたいです。バッテリーの減りが早いと災害時使えませんから。常時取得で3%未満とのこと。共有しているアプリのバッテリーの低下も教えてくれます。
 さらに、緊急時の連絡手段として、緊急通知機能もついています。

 とはいえ、常時居場所が解るのは家族でもちょっとということもありますよね。子どもが社会人になったとか、大学生にもなれば、親には居場所は教えてくれないということのほうが多くなります。夫婦間や別居の親戚間でも、いつもは嫌だけど災害時には居場所を知りたいということはあります。

 そんな時には、地震が発生した時のみ居場所がわかる『COCODAYO』アプリ。

『COCODAYO』

 平時では家族の居場所は非公開になります。

 地震の時だけ居場所を表示するので、個人のプライバシーを大切にするアプリとなっています。震度5弱以上では住所表示がより詳しくなります。

「日常で使わないといざというとき使えるか心配?」と思われるかもしれませんが、震度2程度の地震は各地で起こっているので、日常から練習はできます。

 料金は4人登録の場合、月額360円(税込)です(支払いは1人のみ)。地震の際には、もっとも頼れる感のあるアプリです。

Googleマップで無料で位置情報を共有

 Googleマップでの位置情報共有という手法もあります。常時接続だとバッテリーの低下が心配ですが、この1時間だけ位置情報を共有という具合に時間設定もできます。こちらは無料です。

 Googleマップを開いて左上をクリック、次に現在地の共有をクリックします。

 すると、共有時間の設定や共有する人を選ぶことができます。

 また、子どものスマホ依存防止と子どもの位置情報がわかるアプリとして『まもるぞう2』があります。スマホ依存を防止しながら位置がわかるというのが面白くもあります。月額料金も税込で150円(フィルタリング機能利用時のみ)と利用しやすい価格です。

『まもるぞう2』

 ゲームアプリなどの利用状況を見える化してくれるので、約束の時間を守っているか、話し合いの材料になります。フィルタリングを利用できる機器は現在Androidのみで、この機能を利用すると月額150円(税込)です。

 日常使いとして、外出からの帰宅通知があります。

 この、『まもるぞう』が『1』から『2』になった時に防災機能が削除されてしまいました。それが、残念。『1』の時は、避難所情報、避難場所の標高の色分け表示、災害時の安否確認機能もありました。普段使いのものに、いつもは使わないけど、いざという時役立つ情報が入っているというコンセプトが好きだったので、個人的には復活してほしいのです。

アプリという形ではなく、位置情報を知りたい時は

『iPhoneを探す』や『Androidデバイスマネージャー』で追跡は可能です。iPhoneだけではなくAndroidでも、登録しているGoogleアカウントとパスワードを使って端末を探せるようになっています。

 スマホ使用にはまだ早いというキッズには、キッズ携帯のGPSによる見守り機能を使う方法があります。その一つはドコモの機種限定機能にある『はなれたよ検索』があります。

 子どもの位置情報がわかるだけでなく、防犯ブザーもついていてランドセルにつけやすい形になっています。キャリアによって機能が異なっているのでよく確認してみてください。

 電源が入っていなくても相手側に通知できたり、公園で遊んでいて、親の指定する範囲を離れたらお知らせする機能があったり、車や電車など速度のあるもので移動した場合お知らせメールが入るものがあるなど微妙にサービスが違いますし、料金も各社違います。
 以下では大手3社を紹介します。

docomo 『イマドコサーチ』
基本料金(540円)+月額使用料(216円) そのほかにサーチ1回につき5円
基本料金および月額使用料はいずれも税込

au 『いますぐサーチ』
基本料金(802円)+EZ-WIN(324円)+安心ナビ(324円) そのほかにサーチ1回につき3円
基本料金、EZ-WIN、安心ナビはいずれも税込
サーチ料金はスマートパス会員無料サーチがパケット定額でない場合にかかる


ソフトバンク『みまもりGPSアプリ』
基本料金(529円)+位置ナビ月額(216円)+web使用料月額(324円) そのほかにサーチ1回につき5円
基本料金、位置ナビ、web使用料はいずれも税込

 上記サービスはキッズ携帯を利用しなくてもGPS機能付き携帯やスマホを見守られる人が使用していれば利用できる可能性があります。その場合、キッズ携帯を使わなくても高齢者対象に使うことができます。

 学校やPTAが契約して、門を通過すればお知らせしてくれるサービスを導入している所もあります。私立校だけではなく、公立校でも導入が増えています。

 ということで、日常から使えて災害時にも役立つ、さまざまな安否確認・見守りサービスを紹介いたしました。

 ツールも進化してサービスの数も増えています。新学期、新年度にむけ、新しい情報をもとに、家族の安否確認を再考していただければと思います。

 そして、これら便利ツールが災害時、必ず機能するわけではありません。想定外が起こるのが災害というものですから。ですので、原始的ですが、災害別に待ち合わせ場所(含む自宅)を3ヵ所以上話し合って決める……といった地味な作業もお忘れなく!

 みなさまの新学期、新年度が安心なものとなりますように!