ボタン一つで安否確認 コンセントに差し込むだけ、高齢者の生活サポート みやき町が導入 [佐賀県]

2018年03月28日西日本新聞

 
 みやき町は、さまざまなものをインターネットでつなぐ「IoT」技術を活用し、高齢者の生活をボタン一つでサポートする「MAGOボタン」を導入する。町と開発元のMIKAWAYA21(東京)、町内でコールセンターを運営する株式会社みやきまちの3者が23日、連携協定を結んだ。

 MAGOボタンは缶詰大の押しボタンに通信機能を内蔵。コンセントに差し込めばインターネット環境がなくても利用でき、操作もボタンを押すだけでスマートフォンが使えないお年寄りにも簡単に使える。全国の新聞販売店を中心にサービス提供が広がっており、時報や天気、ゴミ出し、デイサービスの日や薬をのむ時間などを音声で知らせるほか、薬を飲んだ後にボタンを押せば離れた家族の安否確認ができる。

 困り事があって2回押すと、コールセンターに連絡がいき、コールセンターが折り返し電話。困り事を聞いて、町が養成している地域サポーターや行政の支援につなげる。地域サポーターは有償ボランティアとして、電球の取り換えや買い物支援などの困り事に対応する。

 高齢者が住み慣れた地域で人生の最期を迎えられるよう、住まいや医療、介護を一体的に提供する地域包括ケアシステム構築の一環で、町はMAGOボタンを100台購入し、地域の役員らにまず使ってもらいながら利用料などの支援システムを確立していく。

 協定書締結式で末安伸之町長は「全国でもモデルになるケースにしたい」とあいさつ。MIKAWYA21の青木慶哉社長は「行政と一緒にやるのは初めて。地域の高齢者に安心感を与えられるよう頑張りたい」と述べた。