独居高齢者の安全確認 「みまもりでんわサービス」 日本郵政と太地町が調印

2018年03月15日紀南新聞

 
 太地町は平成30年度から、日本郵便株式会社が展開する独居高齢者などの安全確認を電話で行う「みまもりでんわサービス」を導入する。これに関する調印式が14日、同町役場で行われた。両者の関係者が出席し、三軒一高町長と同社の矢﨑敏幸・近畿支社長が調印。町民の生活の支えの一助となるよう協力を誓い合った。

 このサービスは、毎日、指定された時間帯に利用者の自宅に自動音声で電話をかけ、利用者がその日の体調について「元気です」「いつも通りです」「元気がありません」など3種類から選んで電話機の番号ボタンを押すと、その結果が町や遠方に住む家族、親類など最大4か所にメールで通知される仕組み。利用者が電話に出ない場合なども通知される。日本郵便から同町に提案があり実現した。県内でこのサービスを導入するのは、広川町、印南町に次いで3例目。

 平成29年4月1日現在、太地町の65歳以上の高齢者は1338人(高齢化率41・3%)で、このうち一人暮らしをしているのは332人。サービスの対象は、おおむね65歳以上の独居高齢者など。募集は平成30年4月1日からはじまり、郵便局で申し込める。希望者本人またはその家族なども申し込み可能。連絡体制の確認などが必要なため、利用できるのは申し込みから2週間程度かかるという。通話料無料で、ダイヤル式の黒電話、プッシュ式の電話、携帯電話、スマートフォンなどに対応している。

 調印式には、同町から三軒町長と同町社会福祉協議会の岡本研事務局長、同社から矢﨑支社長、吉田仁久・紀南地区統括局長、小河則行・太地局長、湯上佳昭・紀伊勝浦局長の6人が出席した。

 三軒町長は、町議会議員時代には「となり組制度」という、誰かに何かトラブルなどがあればすぐ近隣住民が気付き、まわりに情報が伝わるコミュニティーがあったことを振り返り、これを機に、さらなる高齢者見守り体制の充実に期待を寄せた。

 矢﨑支社長は「地元のみなさんあっての郵便局。これまで以上に地域に向き合ってサービスを展開していきたい」と話した。