群馬のクライム、静脈認証の高齢者見守り全県で展開
2018年03月01日日経新聞
システム開発のクライム(群馬県高崎市)は3月1日から、認知症患者らが徘徊(はいかい)した際に手のひらの静脈から身元を特定するサービスを全県で展開する。警察署と連携し事前に登録した静脈データと照合する。これまでは前橋市と沼田市で運用していた。少子高齢化が進むなか、今後は県外自治体へのサービス導入もめざす。
「徘徊高齢者等事前登録制度における手のひら静脈認証による身元特定実証実験」の協定書を県警と結んだ。家族などの希望により、徘徊の恐れがある人の両手の静脈を認証装置を使って事前に登録する。静脈のデータを警察署で患者らが保護されたときに照合する。登録は県内15の警察署で受け付ける。
同社のサービスは専用の端末やICチップが内蔵された衣類や靴を着用していなくても個人を特定できるのが特徴だ。捜索願が出ていない場合でも保護後すぐに家族に連絡することができる。
17年からは前橋市と沼田市、両市を管轄する警察署と連携している。両市では市役所でも静脈の登録を受け付けている。
厚生労働省によると認知症患者は25年には約700万人に増え、65歳以上の5人に1人の割合に達する見通し。