水道使用で安否確認 アルファ電子(天栄)が共同開発
2017年12月31日福島民報
天栄村の医療・電子機器製造のアルファ電子は、水道使用の状況で一人暮らしの高齢者の安否が分かる「水流センサ 見守りシステム」を郡山市の日大工学部などと共同で開発した。長期間水道使用のないときなどに家族に連絡し、異変を知らせる。一人暮らしの高齢者が増え、孤独死や認知症の対策が求められている中、離れて住む家族がきめ細かく状況を確認できる。
既製品に比べ工事の必要はなく、水道管に水の流れを感知するセンサーを取り付けるだけで簡単に使用できる。センサーが異変を感知すると、サーバーを介して登録してあるスマートフォンなどに通知される。水道の利用状況によって高齢者の体調の変化も分かる。来春に発売し、価格は3万円以下を目指している。
同社は郡山市の介護予防・日常生活支援アドバイザーを務める日大工学部電気電子工学科の酒谷薫教授から依頼を受け、昨年10月に開発に着手した。水田の水位や水温を測るセンサーやデータ送信の技術を応用した。実証試験を大学構内で実施し、学生がデータ収集に協力した。
同社は高齢者見守り施策の一環として行政にも利用を働き掛けていく考え。樽川久夫社長(62)は「目の届きにくい高齢者の命を守れる技術。普及を進めて社会に貢献していきたい」と話している。