30年のIoT世界市場規模404兆円 JEITA見通し 16年の2倍

2017年12月20日ITmediaエグゼクティブ


 電子情報技術産業協会(JEITA)は19日、「IoT(モノのインターネット)」の世界市場規模が2016年の194兆円から30年に約2倍の404兆円に拡大するとの見通しを明らかにした。

 政府は人工知能(AI)やロボットなどの先端技術を経済成長の起爆剤とする「第4次産業革命」の推進に力を入れている。その中で、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTはAIと並ぶ重要技術に位置付けられており、JEITAは各種機器のIoT化率が30年には86%に達すると予測。国内の市場規模も16年の11.1兆円から30年には19.7兆円に達するとした。

 分野別では介護・医療分野へのIoTの導入拡大が見込まれ、30年の世界市場規模は22.3兆円になる見通し。少子高齢化の進展を受け、IoTとセンサー機器などを組み合わせた高齢者見守りサービスや介護ロボットなどの活用が広まるとみられる。

 電機各社は既に市場拡大を見込んでIoTへの取り組みを強化しており、パナソニックはエアコンの稼働状況とセンサーでとらえた室内の人の動きをネット経由で管理して見守るサービスの拡販に注力。富士通も同様のサービスを開発している。

 一方、日立製作所は顧客企業から生産や物流のデータを集め、AIの解析を加えて業務の効率化を指南する事業などを展開。IoT関連事業の売り上げ規模を17年3月期の約9000億円から19年3月期には1兆500億円に伸ばす計画だ。

  アート不動産が管理している物件は約5900戸。高齢化や核家族化が進んだ影響もあり、例年2、3件は「孤独死」の報告がある。発見が遅れれば、物件の改装費用が膨らみ、大家の負担も大きい。こうした事情から、高齢者への賃貸に慎重な大家も多く、住まいを借りたくても借りられない人が増えていた。

  櫻井社長は「一人暮らしの高齢者だけでなく、障害者や持病を抱える人にとっても安心なサービス。空き物件を有効に活用することにつながれば、地域の活性化にもなる」と語る。

  小川教授は、独居高齢者の安否確認システム「おげんき発信」をはじめ、宅配業者による見守り機能付き買い物支援サービスなど、ICTと地域の人的資源を組み合わせて、高齢者の生活を支えるコミュニティーづくりを進めてきた。「研究成果が社会で実装されていくことが大事。弱い立場にある人を受け入れ、支える、共生社会を形づくっていく上でも意義がある取り組み」と期待する。