児童や高齢者を機器で見守り 加古川市、今秋から

2017年09月01日神戸新聞

 
 兵庫県加古川市は、民間事業者と共同で、登下校する子どもや認知症の高齢者らの移動情報を家族に知らせる見守りサービスを始める。利用料などが必要で希望者が対象。2018年度末までに、市内に約1500台設置する防犯カメラに検知器を内蔵し、小型発信器を身に着けた子どもや高齢者が近くを通ると、通過情報が保護者らのスマートフォンに届く仕組み。大規模な実施は全国でも珍しいという。

 発信・検知器の通信は近距離無線通信「ブルートゥース」を使う。衛星利用測位システム(GPS)を利用したスマホ向けなどのサービスより費用が低額で、発信器も小型で身に着けやすいなどの利点がある。

 伊丹市は、16年に防犯カメラ千台を設置した際、同様のサービスを始めた。加古川市では、料金などの違う3社から利用者が契約先を選べる。

 検知する防犯カメラは全28小学校の通学路を中心に、17年度に900台、18年度に600台を設置する予定。今年10月から順次運用する。信号を定期的に発信する装置「BLEタグ」を身に着けた子どもや高齢者がカメラの半径約50メートル内に入ると、保護者らはスマホの専用アプリで通知を受け取れたり、通過情報の履歴を確認したりできる。

 タグの形状は事業者によって異なり、最小で五百円硬貨ほどの大きさ。料金は、初期登録料2千円台、月額利用料約500円までとなる見通し。加古川市生活安全課の担当者は「将来、サービスが広がった場合でも、どの事業者にも対応できるよう柔軟性の高いシステムを目指した」としている。