SOMPO系、AIロボで高齢者見守り 顔認証で外出管理

2017年08月31日日経新聞

 
 介護大手のSOMPOケアメッセージ(東京・品川)は運営する有料老人ホームに入居者を見守る人工知能(AI)搭載ロボットを順次導入する。入居者の顔を学習して識別し、徘徊(はいかい)の恐れがある認知症高齢者が外出する際に介護職員にメールや電話などで通知する。事故発生を防ぐほか、職員の負担軽減で人材確保につなげる。

 AI関連ベンチャーのユニロボット(東京・渋谷)が開発した「ユニボ」を導入する。既に東京都足立区内のホームに試験導入しており、期待した効果が得られれば来年度以降に全国約180施設に広げる。

 認知症の人が徘徊中に事故に巻き込まれるケースも相次いでいるため、高齢者の安全を確保するうえで見守り強化は介護事業者の共通の課題となっている。

 見守り機能の強化は介護職員の負担減にもつながる。万が一施設から認知症の人が失踪した場合、施設の多くの職員が捜索にあたるのが一般的。SOMPOケアメッセージの担当者はロボットの導入で「介護職員の精神的ストレスや業務負担を減らせる」と期待する。