スマホで入居者見守り 釧路の高齢者施設NTT実験 出入り通報

2017年08月29日北海道新聞

 
【釧路】NTT東日本(東京)は、老人ホームなどに入居する認知症のお年寄りが部屋を出ると、扉のセンサーが作動し、職員が携帯するスマートフォンにメールと写真で知らせるシステムを開発し、釧路市で実証実験を行っている。入居者が歩き回って転倒したり行方不明になったりするのを防ぐ狙い。介護人材の不足が深刻化する中、入居者の安全確保と職員の負担軽減のため、釧路の事業所が相談し、開発された。

 NTT東日本によると、高齢者に発信器を着けてもらい、行動を感知するシステムは他にあるが、本人が機器の携行を嫌がり、紛失も多いのが課題だった。

 実験は、釧路市内で六つの住宅型有料老人ホームを手がける「そんぐ」が運営するホームの一つで、23日に始めた。

 認知症の入居者1人の個室の出入り口に、扉の開閉を感知するセンサーと自動カメラを設置。夜勤時の利用を想定し、入居者が扉を開けると、部屋番号が夜勤職員のスマホにメールで送られる。外に出ようとする入居者の写真もサーバーに蓄積され、職員がスマホから確認できる。事務室ではシステムと連動したランプを設置。職員がメールを開くまで赤く点灯し続け、見過ごしを防ぐ。