メモリアホールディングス、高齢者見守り事業に参入
2017年07月24日日経新聞
葬祭業のメモリアホールディングス(岐阜県大垣市)はひとり暮らしの高齢者の見守りサービスに乗り出す。深夜勤務の社員を活用し、高齢者の自宅に設置した専用センサーで利用者の異変などをチェックする。年内にも大垣市など岐阜県西濃地域、岐阜市の一部で始める方針だ。
新サービス「ながいきあんしん倶楽部(くらぶ)」は標準プランで月2980円で利用できる。契約家庭に独自開発した人の動きを検知するセンサー2台を置き、高齢者の動きをチェックする。高齢者が緊急時に呼び出せる装置も付ける。遠方の家族がスマートフォンで行動を把握できる機能もある。
センサーが人の動きを感知しない場合は同社の社員が電話連絡して安否を確認し、事前に登録された家族などの連絡先に状況を知らせる。連絡がつかない場合は同社が救急車を呼ぶ対応をとる手はずだ。別料金で同社の営業担当者が利用者宅を定期訪問して暮らしぶりを確認するサービスを付けることもできる。
現在高齢者3世帯とテスト運用を進めている。日本政策金融公庫が設備資金として2500万円を融資した。
同社は岐阜県内に11カ所の葬儀場と結婚式場1カ所を持つ。古小路勝利社長は「葬儀で孤独死に見舞われた高齢者の遺族が心を痛める場面に直面し、見守り事業を始めることにした」と話す。今後岐阜県以外の事業者と組んで、見守り事業を広域展開したい考えだ。