高齢者運転「見守り」 速度など家族へメール

2017年07月05日毎日新聞

 
 高齢ドライバーの事故を防ごうと、高齢者の運転の状況を家族に電子メールなどで知らせる見守りサービスをオリックス自動車が展開している。地方では乗用車は「生活の足」。高齢ドライバーの暮らしと安全をどう両立させていくのか、導入が広がるのか、自動車業界と地方自治体の連携が問われる。

 オリックス自動車が今年2月に個人向けにサービスを開始したのが「あんしん運転Ever Drive」。月額2980円(税別)で貸し出す専用の車載器が速度超過や急加速、急ブレーキ、長時間運転の情報を記録し、メールで送信する。情報はパソコンやスマートフォンに送られたメールで確認できる。他に運転時間や走行距離、最高速度、走行ルートなどが把握可能だ。

 リスクコンサルティング部の中村健太郎課長は「運転を『見える化』することで反射神経の衰えや認知症の兆候を早期に把握し、家族で支え合うきっかけにしてほしい。自治体にも普及へ協力を呼び掛けたい」と話す。

 MS&ADホールディングスが、高齢ドライバーの運転状況を家族に伝える見守りサービス付きの自動車保険を発売する予定など同様の商品への関心が高まっている。

 運転を「見える化」するサービスは、オリックス自動車が2006年に法人向けで開始。危険運転の情報を職場で共有することで、業務中の自動車事故の軽減につなげようと利用が広がった。今年3月末で導入実績は2200社、14万5000台に達したという。