子供や高齢者の見守り、労務管理…広がるGPS活用
2017年03月15日産経新聞
正確な位置捕捉が可能なGPSは、子供や高齢者の見守り、車の盗難対策など、さまざまな場面で活用が広がっている。
大手セキュリティー会社は、GPSによる位置検索と警備員の現場急行を組み合わせたサービスを提供している。顧客は同社からGPS発信器をレンタル。パソコンや携帯電話から専用ホームページにアクセスすると、発信器の現在位置が確認できる仕組みだ。月額基本料は、位置検索の回数に応じて設定されている。
発信器の通報ボタンが押された場合や家族からの要請があった場合には、警備員が駆けつける。利用者数は公表していないが「増加傾向」(担当者)という。
同社では、3基以上のGPS衛星を使って発信器の位置を特定。ただ、高層ビルの多い都市部など、3基以上の衛星の電波を捉えられない場所では、携帯電話の基地局からの電波も使って位置を割り出す。実際の位置との誤差は、GPS衛星だけで検索した場合は半径5~10メートル程度におさまるという。
顧客の利用目的で多いのは、幼い子供や高齢者の安否確認のため、発信器を持たせるケースや、盗難対策として車やバッグに装着するケース。子供が学校に到着する時間や帰宅時間に合わせて親が位置検索をするなど、日常的に利用する場合も少なくない。
また、運送業者が労務管理のためトラックに装着したり、宅配業者が重要書類を運搬する際に発信器を入れるなど、「業種に応じて活用方法をアレンジしている」(担当者)という。