群馬・下仁田 スマホ全戸配布、白紙 電波届かない場所も

2017年03月08日毎日新聞

 
 高齢者の地域見守り活動や防災・緊急時の行政情報連絡手段としてスマートフォン(スマホ)の町内全戸配布を計画していた群馬県下仁田町は7日、システム上の問題など解決すべきことがあるなどとして、計画をいったん白紙に戻すことを決めた。原秀男町長が町議会本会議の一般質問で明らかにした。

 町は昨年4~6月の3カ月間、スマホを活用した実証事業を青倉地区で実施した。1人暮らしの高齢者(65歳以上)や高齢夫婦世帯を中心に195人にスマホを配布予定だったが、受け取ったのは72人で、このうち20人が未使用。実際に使用したのは52人だった。アンケートでは、「安否確認に有効」と77%が回答し、情報把握に効果があったが、「操作が難しい」との意見や、地域内で電波の届かない場所があるなど課題も浮かび上がったという。

 原町長は「克服すべき課題があり、スマホの全戸配布計画は、現時点ではいったん白紙に戻したいと考えている」と述べた。