大子町、郵便局と高齢者見守り 4月開始へ、1人暮らし安否確認

2017年02月23日茨城新聞

 
 高齢化が進展する中で、高齢者に安心して暮らしてもらえる環境づくりの一環として、大子町は4月から、町内の郵便局と連携し、1人暮らし高齢者の安否を確認する見守り訪問事業に乗り出す。郵便局の担当者などが毎日電話で体調などを確認するほか、月1回訪問して実際に面会する。日本郵便のサービス事業で、自治体単位での導入は、東京都檜原村に次いで全国2カ所目という。町は3月1日開会の定例町議会に予算案を提出する。可決後、同月中に日本郵便と契約を結ぶ方針。

 町の見守り訪問事業は、日本郵便の「郵便局のみまもりサービス」と「郵便局のみまもり電話」を活用する。65歳以上の高齢者の1人暮らし世帯が対象で、町に申請した希望者に対し、郵便局の担当者が、希望日(時間)に電話と訪問により、高齢者の安否を確認する。健康状態や暮らしぶりなどの結果は、家族と町にメールで報告する仕組み。

 見守りの拠点となるのは町内11カ所の郵便局。町北部の上野宮郵便局の旅沢雅博局長は「町は高齢者の1人暮らしが多く、安否確認は切実な問題。地域に密着する郵便局の使命として、ぜひ成功させたい」と意欲を示す。

 町福祉課によると、1人暮らし高齢者の安否確認は、これまで町の嘱託職員4人が担当し、約230人を対象に実施してきた。電話による「あんしんコール」をそれぞれ週1回、訪問回数には対象者によってばらつきがあった。日本郵便への委託により、希望日時に電話連絡や訪問が受けられるなど、サービスの拡充につながると期待。17年度当初予算案に事業費816万円を盛り込んだ。

 町の高齢化率(65歳以上の人口比率)は現在41%で県内で最も高齢化が進んでいる。7400人の高齢者のうち、1人暮らしが千人を超えている。綿引久男町長は「孤独死が年間5〜6件ある。その対策として安否確認を充実させ、安心して暮らせる町にしたい」と話した

 日本郵便によると、郵便局などによる見守りサービスは、個人契約はあるものの、自治体としては2カ所目という。既にサービスを導入している檜原村の高齢化率は47・1%(2015年度)。村は同年度から、高齢者1人暮らし世帯、または高齢者のみの世帯などを対象に「みまもり事業」を実施している。