伊丹市が街中に1000個のビーコンを設置して見守りサービス

2017年02月16日マイナビニュース

 
兵庫県伊丹市は阪神電気鉄道(阪神電鉄)と協働で、全国初の試みとして2016年1月から、街中に1000個のビーコン受信器の設置を開始し、同年3月から小学生と徘徊する認知症高齢者等に対する見守りサービス「まちなかミマモルメ」の運用を開始した。

これは、電柱に設置したビーコン受信器が小学生や高齢者等が携帯するビーコン発信器(ビーコンタグ)の信号をキャッチすると、家族にアプリ等でその地点を通過したことを知らせるサービスだ。

導入のきっかけは、平成26年に神戸市で発生した小学校1年生の女児が誘拐され殺害された事件。この事件の解決に役立ったのが防犯カメラ映像だったため、市長の提案で、市内17の小学校区内に1000台の安全・安心見守りカメラ(防犯カメラ、以下「カメラ」という)を設置することになったのだ。

一方「まちなかミマモルメ」を協働で取り組む阪神電鉄では、従来からICタグを使って小学生が校門を通過したことを保護者にメールで知らせる「登下校ミマモルメ」を提供しており、報道で伊丹市が防犯カメラを設置することを知った同社が、新たに事業展開を検討していたビーコンを活用した見守りを提案し、「まちなかミマモルメ」が実現したのだ。

ビーコン受信器はカメラとともに、17の小学校区内にそれぞれ50カ所、および中心市街地や河川など事件・事故や災害のおそれのある箇所に設置された。カメラとビーコンはおよそ160mごとに設置されている計算になるという。受信範囲は環境にもよるが、およそ30mだ。

「まちなかミマモルメ」ではBLE(Bluetooth Low-Energy)ビーコンを活用しており、採用されているのは、ぷらっとホームの「OpenBlocks IoT EX1」だ。今回の製品は、電波をより確実にキャッチできるように、Bluetoothの受信アンテナを追加しているという。

小学生の場合は、各電柱の受信器がビーコン発信器からの信号を受信した際には、その情報をアプリ上で表示し、さらに校門を通過する際に保護者のスマートフォンにプッシュ通知で通過を知らせる。利用する場合は、こども一人あたり初期登録料の2,572円と月額使用料432円(年一括払いの場合)を支払う必要があるが(兄弟で利用する場合は割引あり)、2017年1月現在、在校生の約8%が利用しているという。