小型無線装置で高齢者見守り 湖南市

2017年02月15日中日新聞

 
 湖南市は新年度から、小型の無線装置を使った高齢者や認知症患者らの見守り活動を始める。電波を発信する「みまもりタグ」を靴や衣服などに取り付けてもらい、行方が分からなくなっても、市内各所に設置する受信機などからの情報を基に捜すことができる。

 タグの電波を感知する受信機百三十台を市内各所に設置するほか、スマートフォンを使う市民らに専用アプリを登録してもらう。高齢者らに身に着けてもらうタグは、長さ約五センチと小さく軽い。

 タグを着けた人が受信機やアプリを登録したスマホの近くを通ると位置情報が得られる。通過した地点や向かっている方向などが分かり、捜索に役立てることができる。

 高齢者の安全や健康のための国土交通省の事業を活用した警備会社の取り組みで、モデル事業として市を含む全国十市町で実施。市は三月末までに受信機を設置し、新年度から必要な家庭にタグやタグを装着できる専用の靴を配る。

 市高齢福祉課によると、高齢者らの行方不明事案は市が把握しているだけで二〇一五年度は二十七件、本年度は一月末までに十件あった。課の担当者は「動いている地域や方向が分かるだけで、これまでより見つけやすくなるはずだ」と期待を寄せている。