毎日安心!簡単コミュニケーション~安心ボタン見守りシステム「Picot」
2017年02月02日Net IB News
内閣府が公開している「平成28年版高齢社会白書」によると、2014年現在で、日本国内の全世帯数は5,043万世帯。そのうち65歳以上の高齢者のいる世帯数は2,357万世帯と、全体の46.7%に上る。また、高齢者のいる世帯のうち、「単独世帯」「夫婦のみの世帯」の割合は過半数を超えており、以前と比べて子どもとの同居率が大幅に減少している。
そうした今の時代において、離れて暮らしていたり、忙しくてなかなか会うことのできない年配の両親の安否は、何かと気にかかるもの。そんな大切な家族とのコミュニケーションを、簡単ワンプッシュで行える機器が誕生した。それが、人と人とをつなげるコミュニケーション端末 「Picot(ピコット)」だ。
「Picot」は、見守り対象となる利用者の住居などで動作するコミュニケーション端末で、見守り対象者が必要に応じて「安心ボタン」を押すだけで、事前登録している家族の携帯端末(携帯電話やスマートフォン)へ、音声付静止画像をメールで瞬時に通知するというもの。
本体に室温センサーや人感センサーを内蔵しており、見守り対象者の様子を常に把握。一定時間無反応など、センサーが異常を感知すると、メールで家族に通知を行う。また、見守り対象者に何か問題が発生した場合でも、安心ボタンを押すだけの簡単機能なので、いざというときにご年配の方でも楽に操作が可能だ。
そうした見守りとしての機能のほか、見守る側の人が専用アプリから撮影した写真をコメント付きで送信すると、Picot利用者に自動的に通知され、タッチ1つの簡単操作で閲覧することができるなど、普段のコミュニケーションツールとしての機能も備えている。置くだけ簡単、メンテナンスフリーで、安心・便利な機器となっている。
この「Picot」を開発したのは、福岡市博多区に本社を構える(株)E&I。同社はシステム開発を主業務として、IT化の推進に寄与しており、社名の由来は、「EcologyとITで社会貢献を目指す」というもの。同社は以前、「一期ノート」というWeb版のエンディングノートシステムのサービスも行うなど、ITで高齢者の役に立つサービスをいろいろと提供していた。それが、東日本大震災の発生をきっかけとして、もっと能動的に高齢者の役に立つサービスを模索。そうして開発されたのが、今回の「Picot」だ。
同社では、この「Picot」のシステムを使って、さまざまな分野への応用も考えている。たとえば「在宅就労管理システム」は、障害者の在宅での就労訓練を管理するもので、2015年6月より運用を開始し、すでに1年以上の稼働実績を持つ。ほかにも、農園の状況監視と農作業の自動制御をどこにいても行える「農作業自動制御システム」や、空き家・別荘の管理システム、ペットや無人店舗などの管理システムなど、さまざまな分野での活用が可能だ。
同社代表取締役の宇多博之氏は、「今回開発したPicotは、主に高齢者などの大切な家族を見守るための、安心・安全を提供する次世代情報コミュニケーション端末です。今後はさらに改良を重ねていき、低価格で良いものをご提供できるよう、努めていきたいと思います。将来的にはAI機能なども搭載できると、より多方面での活用も可能になってくるかもしれませんね」と語る。
少子高齢化や核家族化の進行で、子どもと離れて暮らす高齢者世帯が増加している現代の日本。そうしたなか、同社の「Picot」による見守りサービスが、希薄になりつつある家族間の絆を深めてくれることを期待したい。