高齢世帯に毎日電話 「郵便局のみまもりでんわ」を和歌山・広川町導入へ
2017年06月02日産経新聞
お年寄りが安心して暮らせるまちづくりを進めようと、広川町は、安否や体調が確認できる音声電話「郵便局のみまもりでんわ」のサービスを今夏にも導入する。お年寄りにかかってくる電話に、健康状態を示す番号を入力すると、離れて住む家族などにメールが送られる仕組み。サービスを提供する日本郵便近畿支社(矢崎敏幸支社長)と同町の調印式が、町役場で開かれた。
同支社によると、みまもり電話は、平成27年10月から試験的に全国の一部地域で有償サービスとして開始。県内でも紀美野町や有田川町、那智勝浦町などで個人利用されており、全国展開に向けた準備が進められている。自治体による導入は広川町が西日本で初めて。料金は町が負担し、6月下旬ごろにも開始する予定という。
町内の高齢者世帯のうち、希望者が町にサービスを申し込む。毎日定時にかかってくる自動音声電話でお年寄りは、(1)元気です(2)いつも通りです(3)元気がありません-の3つの中から数字を入力。季節や健康などについての日替わりメッセージも聞くことができる。体調確認の結果は家族らにメールで送信され、お年寄りが電話に出ない場合や途中で切断された場合にも、メールで状況が送られる。
広川町によると、高齢化率(27年国勢調査)は31・7%で、県平均の30・9%を上回っている。町はこれまでにも、緊急時に消防に通報できる電話装置を取り付ける「高齢者あんしんコール事業」などに取り組んできたが、今回の「みまもり電話」は、日々の体調を遠くの人にも報告できるとして導入が決まった。メールは町の地域包括支援センターにも送信することにしているという。
調印式で西岡利記町長は「高齢者や離れて暮らすご家族に安心して生活していただけることを期待している」とあいさつ。同支社みまもりサービス担当の詫間信宏係長は、「遠隔地に住む子世代と親世代を結ぶサービス。緊急事態の早期発見などにつながれば」と話している。